2016年06月03日

sometime ago


今年も気が付くとまた、
夏が近づいてきました

初夏が輝いています

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皆様、お元気でお過ごしでしょうか

薄く陽が射し始める、明け方の涼しい時間帯
どこからか、ホトトギスの聲が聞こえてきます
古来より和歌にも多く詠われたその澄んだ鳴き声は
遠く、涼やかに 
不思議な情感をもって心に響いてきます
ホトトギスの鳴き声を聴いていると
いつもなんともいえず 心地よい気持ちになります
言葉で言うとしたら
誰しもにあるはずの「昔あったいいこと」を
思い出すような 
懐かしく、安心する気持ちといえばよいでしょうか

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そして、窓を開け放つと 
青く 甘やかな香りが薄闇に漂います 

スイカヅラ、もしくはハコネウツギでしょうか

雨の季節に入る前の、短く美しい日々です

儚いものというのは、私達の心に
さまざまな記憶や情感を喚起させます
やってきて、そして去ってゆく 
手の中につかみ取れないからこそ 残る余韻の中に 
あらゆる機微の すべてがあるように思えます


往年の作家たちも、
そんな美の瞬間をその手の中につかみとりたくて
仕方なかったのかもしれません

■ 温故知新 田中美術の掛軸展 ■
2016年6月15日(水)→23日(木)
※最終日は午後5時まで


掛軸、昨今ますます需要が減り、置き去りにされつつあることを
弊廊は寂しく感じてやみません
日本では仏教の伝来とともに伝わり、
仏画が描かれたものを拝する という
神聖なものとしての位置がございました
やがて禅宗の影響から「水墨画」が広まり、拝する だけのものから
装飾的に愉しみを見出すように変化していきます
そして「茶の湯」の普及により、千利休が茶席での掛物の重要性を説くようになると
茶人達により、御席や季節によって掛物を替えて来客をもてなす という
格式を重んじながらも、より装飾的に楽しむものへと変化してきました

掛軸は、アクリルやガラス板を介さず 
そのままの絵を味わうことができます
作品によって絶妙に合されて仕立てられた表装も、まことに美しいものです
額装が決して悪いわけではございませんが、
掛軸は、通常の長さのものでしたらそれほど重たくもなく、
桐箱にしまうとコンパクトに収まり場所もとりません
出し入れに伴うちょっとした手間も、また楽しいもの
道具を丁寧に扱う気持ちを育ててくれます

今こそ、そんな掛軸の楽しさや良さを
再発見していただければとの ささやかなこだわりの思いで 
季節ものから一行書まで ご紹介させていただきます

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山口蓬春 画「あざみ」共箱
画寸:22×47p

会期中には、お軸のご新調のご相談もお受けしておりますので
しまったまま時が経ってしまった、というお軸が
お手元にございましたら、
お気軽にぜひご相談くださいませ

皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます

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田中美術

















posted by tanaka at 16:50| Comment(0) | ことづて