2006年10月13日

蔵田美和 日本画展 作家インタビュー

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蔵田『最近、クマの出没が多くて困っています。家の周りがどうやら通り道になっているようなんです。』

今回で5回目となる蔵田美和先生は岐阜県の揖斐郡という緑豊かな自然の中で作品を手がけておられます。
透明感ある作品はどのようにして生まれるのか。また、5回目の作品展を迎えるに当たり、今年の作品のことなどいろいろ・・・蔵田先生に伺ってみました。
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田中『スケッチはどんなところに行かれるのですか?』
蔵田『すぐ近くの山や庭です。』

田中『今年の作品で一番先生が見てほしいのは、どの作品、もしくはどんな所でしょうか。』
蔵田『「佐保姫」・「桜」・「山あじさい」・「蔓竜胆」でしょうか。これらは今までにない技法で描いています。』


最近画材の持つ可能性に新たな魅力を感じておられるご様子で、今回出品作にもいろいろな挑戦があったようです。
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蔵田『最近、日本画画材の持つ可能性の研究がとても面白く感じられるようになってきました。貝や鉱石を砕いたものや金属片を、膠水で紙に貼り付けていくという、一見、原始的に見える技法は、実は、無限の可能性を秘めていると感じています。今年は、ベースになる紙についても研究してみました。』



田中『“紙”については具体的にどのような工夫があったのでしょうか。』
蔵田『和紙は実に多種多様で特に手漉きの和紙は、それぞれ独特の特質があり、ただ色をのせる基面としてだけでなく、色合い、風合いを生かせるよう挑戦がありました。

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例えば、麻で漉いた紙、最上級の極細の楮で漉いた紙では、使う絵の具も違います。それぞれの紙や、絵の具の持つ長所を重ねることで、両方を表現しようというものです。』
1つの作品を仕上げる事は、技術の向上だけでなく、研究、努力があってこそ“表現”できるという厳しさもしっかり持っていらっしゃいます。


田中『今後挑戦したい題材やテーマはありますか。』

蔵田『野生植物は永遠のテーマと考えています。花だけではなく、生態全てをテーマにできたらと思っています。生息している空間を、空気ごと写し取るような絵が描けたら・・・と思っています。』

“空気ごと写し取る”先生の作品を見るととてもうなずける一言です。小さな額の中には確かに “空気”が満ち溢れ心を揺さぶります。技術だけでは捕らえることのできない、広い自然を自らの宇宙へと引きずり込む豊かな感性が伺えます。
変わることのない永遠のテーマを、日々違った角度で捕らえようとする“挑戦”と“研究”はこれからもずっと私たちを楽しませて下さる事だと思います。

休日には南の島の伝統音楽を聞いたり、民族楽器を演奏したりして感覚のリフレッシュをされているそうです。
意外にも、植物作品の誕生の裏には南国の音楽が・・・隠れていたようです。
でも、私たち都会に住む者にとっては、こうした音楽や空気を感じる事が一番の贅沢なのかも知れません・・・。

※作家在廊日・・・10月28日(土)・29日(日)/ 11月4日(土)・5日(日)

●店主にひとこと●
蔵田『年齢も近く、親近感を抱いています。同じ時代を生きる同士として、エールを送り合って行きたいですね。いい人生になるように、頑張りましょう。』

田中『波乱に満ちた人生です。エールが心にしみます。有難うございます。いい展覧会にしたいです。』

posted by tanaka at 01:57| Comment(1) | 過去記事
この記事へのコメント
東京で蔵田先生の展覧会ある時知りたいです。
Posted by 永井百合子 at 2018年10月01日 19:16
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