2009年05月02日

清水志郎 陶展

京都清水五条に『五条坂 清水』があります。
ここは1985年に重要無形文化財保持者の認定を受けた故・清水卯一先生の工房です。

京都らしい奥行きの深い町家に、展示室と工房があり現在、父、清水保孝先生と志郎さんが作陶されています。
私が志郎さんの作品を知るきっかけになったのはこの五条の展示室で、古い展示台の上に
茶碗、酒器、食器が15点ほどでしょうか、並んでいたのを拝見したのが始まりです。
白いうわぐすりを被った作品が整然と並んでおり、『品』があるな。と言うのが第一印象でした。
この『品』というのはとても難しく、技術だけではできるものではないように思います。
田中美術では分野に限らず、この『品』というものをとても大切にしています。
清水志郎さんの作品にはこの『品』が静かに備わっているように思います。


清水志郎さんのおもしろさは、これまでの活動でいろんな分野の作家さんと交流されていることです。
展覧会も個展を含め、グループでの出展も多く、オブジェの製作も多かった様子です。
陶芸以外でも、絵画・彫刻・木彫など国内外の作家作品に興味があり、
きっとこれまでの活動で見聞きし、知り、得た、いろんな分野の作品から受けたものが
志郎さんの作品にいかされて行くのではないでしょうか。


京都の焼きものは大変種類が多く、焼き締から釉薬もの、磁器などあらゆる技術が引き継がれています。
清水さんの工房でも、土や釉薬は幅広く使われいて、卯一先生が使っておられた 鉄釉、青白磁、鉄耀 は、志郎さんも以前から作品に取り入れています。
『なかなか簡単にはいきません・・・』とご苦労をお話しくださいました。

また、釉薬について志郎さんは、これまでオリジナルの釉薬を使っていたようですが、
ここ数年は『清水家』伝統の釉薬 白釉、柿釉、天目、氷裂 なども取り組んでおられます。
作陶の工程でもやはり釉薬の組み合わせなどを考えたり、テストするのが一番楽しい。との事。
確かに釉薬の種類が多く、作品にどの釉薬を合わせるのか。自分らしい色はこれでいいのか。など選択していくのは、志郎さんの技術とセンスにかかってくるのだと思います。

今回、神戸では初めての個展をさせて頂くのですが、これまで製作してきた
オブジェに加え、『清水家』の作りを意識した作品もご紹介できるのではないかと思っております。
今年で30歳になられ、“若手”から“中堅”の作家に移行する今、いろいろな思いが廻っておられるのではないでしょうか。陶芸界でも20代の若手とされる作家がたくさん出てこられています。名前だけでなく志郎さんが技術を学び、感性を得る交流に時間をかけてこられた事は、きっと『品』や『センス』等、作品にいい形で表れることと思います。

『弟子入りという形ではありませんでしたが、2年間祖父の工房に通っていました。もちろん手伝いもし、いろいろ勉強になりました。貴重な時間でした・・・』

時間をかけた中に、引き継ぐもの。自分らしさを表現するもの。2つが重なります。
“今”の清水志郎さんの作品を是非、ご高覧下さいませ。


●清水志郎 陶展
 2009 5月27日(水)〜6月1日(月)
 午前10時から午後19時まで。(火曜定休)
 ザ・ギャラりー/田中美術  にて 
※作家在廊日・・・5/27(水)30(土)31(日)6/1(月)



posted by tanaka at 18:35| Comment(0) | 過去記事
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